ONE PIECE 1巻の論点と考察【シャンクスはなぜ近海の主に腕を食べられたか】

ONE PIECE 第1巻を読み直しました。僕が読んだ範囲では各話ざっと以下のような論点があると思います。一旦論点と考察ををまとめて、一通り全巻読み直してから改めて加筆修正をします。

第1話 ROMANCE DAWN

1. シャンクスはなぜ1年以上も東の海にいたのか?

シャンクスはフーシャ村に1年以上も滞在しています。なぜシャンクスのような海賊が1年も辺鄙な村に滞在していたのでしょうか?

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957話によれば、シャンクスが4皇になったのはルフィ19歳の時から数えて6年前。つまり、フーシャ村停泊中(12年前)にはまだ4皇ではなかったということになります。

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しかし、434話の白ひげとシャンクスの会話を見る限り、東の海に出る前からシャンクスは相当の実力者だったことが分かりますから、「最弱の海」と呼ばれる東の海にわざわざ出てくる理由が思い当たりません。

おそらくは、ロジャーが東の海出身であったことから墓参りを兼ねて来たか、または907話でシャンクスと5老星が知り合いであることが判明しましたから、政府絡みの案件か。どちらかでしょうね。

まだ東の海にまつわる秘密のようなものは本編に出てきていませんので、今後分かってくると思います。また、僕が本編を読み進める中で分かったことがあれば、適宜追記していきます。


2. シャンクスはフーシャ村を出て北に向かったが、はたしてどこに向かったのか?

ワンピースの世界は真ん中を走る大陸、レッドラインによって二つに分かれ、さらにグランドラインによって二つに分かれているため、4つの海(とグランドライン)に分かれています。下の図がその概要図なのですが、北の海の方を北とすると、東の海から北に向かうとレッドラインにぶつかります。シャンクスはレッドラインを超えて北の海に行ったのでしょうか?

北の海と言えば、副船長ベン・ベックマンの出身地。それに加えてドフラミンゴやローといった物語の中心にいる人物の出身地でもあります。

ャンクスは北の海に何か目的があって行ったのか、それともただロジャーの墓参りついでに行ったのか…いずれ物語を読み進めていけば見えてくることもあるかと思いますので、その時に改めて考察します。

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3. なぜシャンクスは手に入れた悪魔の実が「ゴムゴムの実」と分かったのか?

ラッキー・ルゥはルフィがゴムゴムの実を食べた際、「敵船から奪ったゴムゴムの実がない」と言っています。悪魔の実は食べてみなければ何の実か分からないケースが多いですが、ゴムゴムの実については食べる前から判明しています。

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これには二つ理由が考えられます。

一つは、悪魔の実の図鑑に載っていたケース。スリラーバークでサンジがアブサロムと戦った時、初めて「悪魔の実大図鑑」なるものが存在することが判明します。おそらく全ての能力が網羅されているわけではないと思いますが、昔から形や色、能力が分かっている悪魔の実はこの図鑑に載っているのだと思われます。もしかしたら、シャンクス達もこの図鑑を持っていたから手に入れた実がゴムゴムの実だということが分かったのかもしれませんね。

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 もう一つ考えられるのは、亡くなった仲間が有していた能力である可能性です。悪魔の実の能力者が死ぬと、近くにある果実が新たな悪魔の実となるようです。

下の図はシーザーのペット、ウーパールーパーのスマイリーが霧消した時に、その悪魔の能力が近くのリンゴに宿るシーンです。このシーンを見る限り、能力者が死ぬと近くの果実に能力が宿ることは確実ですが、一つ疑問が残ります。

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黒ひげはヤミヤミの実を狙って白ひげの船に乗っていましたが、ヤミヤミの実がどんな形をしているのか知っていました。

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悪魔の実の色や形が図鑑に載っているくらい一定ならば、スマイリーの能力がリンゴに移った時にリンゴの形が変わらなのはおかしくないか?

正直、この疑問は解消していませんが、おそらくスマイリーの実はもともとリンゴに近い形をしていたか、悪魔の実になったばかりで形まではまだ変わっておらず、時間の経過と共に形が変わるのかもしれませんね。

 さて、少しずれてしまいましたが、シャンクスやラッキー・ルゥが、手に入れた悪魔の実がゴムゴムの実であることを知っていた理由として考えられるのは、亡くなった仲間が有していた能力であることです。

亡くなった仲間が、仲間になってから手に入れた能力なら、シャンクスやルゥもどんな形や色の果実で、どんな能力が宿っているか分かっても不思議じゃありません。

しかし、じゃあゴムゴムの実の能力の前任者は誰なんだ?と考えると、該当しそうな人が今のところいません。ロジャーじゃないかと思ったこともありましたが、それならルフィの能力を見たときに白ひげなんかがもっと反応しているはずです。

だから、個人的にはこの線は薄いと思っていて、単にシャンクスやルゥは図鑑で能力を知っていただけだと思います。

 4. シャンクスはなぜ近海の主に腕を食べられてしまったのか。

たびたび考察のネタとなっている、この論点。僕も自分なりに考えを書いてみます。

45巻で初めて「覇王色の覇気」という概念が登場しました。いずれまた触れる機会があると思いますが、覇王色の覇気とは100万人に1人という割合でしか有する者が存在しない非常に稀有な能力で、持って生まれた者には王の素質があるというものです。

この能力を使うと、覇気に耐えられない弱い者は気絶しますし、動物に使うと服従させることもできます。

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上の画像の通り、シャンクスは覇王色の覇気を使えます。いつ頃使えるようになったのかは分かりませんが、「相変わらずスゲェ覇気だ」と言われていることから、ある程度昔から使えたことが想像できます。シャンクスは腕を失う前からミホークと伝説となるほどの死闘を繰り広げていますから、少なくとも東の海に来る前から覇気は使えたことが考えられます。ということは、断言はできませんが東の海に来た時には既に覇王色の覇気も使えたと考えることができるのではないでしょうか。

では、そんなシャンクスがなぜ近海の主という海王類でもない小さな魚に腕をとられてしまったのかを考えてみましょう。それには、以下のような理由が考えられます。

① ルフィに海の怖さを教えたかった

これが一番の本命かな?と思います。白ひげに「どんな敵にくれてやったんだ?」と聞かれたときに「新しい時代に懸けて来た」と答えていることから、ルフィに何か光るものを見出し、ルフィに大きくなってほしいからこそ海の怖さを身をもって教えたと考えられます。そこまでしてルフィに懸けた理由は、ルフィがロジャーと同じ言葉を言ったからだと思いますが(52巻にて言及)、それがどんな言葉だったかはまだ分かりません。いずれまた考察していきたいと思います。

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② 覇気を使う余裕がなかった

次の理由は、覇気を使う余裕がなかったことです。覇王色の覇気の射程には遠すぎる、しかしルフィが食べられそう…だからとりあえず身を挺して守りに行った…こう考えることもできるのではないでしょうか。武装色の覇気も使って身を守ろうともしたけど、間に合わなかった…。

いや、自分で書いててちょっと無理があるかなと思いました。武器持ってればシャンクスなら遠距離から攻撃できるだろうし、シャンクス程の覇気の使い手なら、海王類でもない魚の一撃ぐらい余裕で耐えれると思うんです。シャンクス能力者説もありますが、能力者は基本カナズチですから、普通に泳げているシャンクスを見るとどうしても違和感が残ってしまいます。だから、この線は薄いかなーと思っています。

③ 演出上しょうがない

ぶっちゃけこれが真実だと思っています。ジャンプで生き残っていくためには、熾烈なアンケート競争を勝ち抜かなければいけません。そうでなければすぐに打ち切りとなってしまい、自分の物語を展開できません。だから、1話にはできるだけインパクトの強い画を持ってきて、ファンを作る必要があるのだと思います。

だから、そのインパクトのためにシャンクスの片手を近海の主に食べさせたのだと考えることができます。しかし、それではあまりに身も蓋もないので、僕的には①の理由を推したいと思います。

第2話 その男 "麦わらのルフィ"
2. コビーはなぜゴムゴムの実を知っていたか?

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コビーはルフィの能力を見た後、「あのゴムゴムの実を食べただなんて」と言っています。つまり、コビーはゴムゴムの実を知っていたことになります。

「最弱の海」東の海にずっといるも関わらず、コビーがゴムゴムの実を知っていたのはなぜでしょうか?

上で、なぜラッキー・ルゥは食べる前からゴムゴムの実であることが分かったかという考察をしましたが、それと同じでおそらくコビーも海の勉強をしている中で悪魔の実の図鑑を読んだのだと思います。だからゴムゴムの実をしっていたと考えるのが自然です。もし著名人がゴムゴムの実の能力者だったら、周りの人がもっと知っていないとおかしいですもんね。

しかし、コビーといい黒ひげといいサンジといい、悪魔の実の図鑑というのは意外と出回っているのかもしれませんね。

・・・というのは建前で、まだ1巻ですから、悪魔の実が何種類あるかとかどの程度その存在や名前が知られているか、その辺の設定があいまいだったのかもしれません。今のところ僕は「コビーは悪魔の実図鑑を読んでいた」説を推していきます。

 

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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